研究課題/領域番号 |
07555169
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
古米 弘明 茨城大学, 工学部, 助教授 (40173546)
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研究分担者 |
古屋 勇治 富士電機総合研究所水処理, バイオ研究所, 研究員
佐々木 康成 富士電機総合研究所水処理, バイオ研究所, 研究マネージャー
野北 舜介 茨城大学, 工学部, 教授 (60218295)
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キーワード | 回分式活性汚泥法 / 栄養塩除去 / 脱リン細菌 / 硝化 / 脱窒 / キノンプロファイル / 活性汚泥モデル / 動力学モデル |
研究概要 |
本研究では、IAWQ活性汚泥モデルNO.2(IAWQ ASM2)のほか脱リン機構に関する生化学的な学術論文の知見を基礎に、回分式活性汚泥法のための生物学的脱リンを組み込んだ非定常モデルを開発することを目指した。開発モデルの検証のために、100L規模の回分装置による人工下水処理実験データ(定常運転での処理水質および外乱を与えた応答実験での水質変動)を用いた。そして、流入水の投入方式、曝気/攪拌時間の設定方式、流入負荷変動を考慮しながら1サイクルの処理状況を再現し、窒素やリンの除去制御の最適化を検討可能な数学モデルを完成した。 1.活性汚泥中菌群組成の変動の評価とモデルの検証 脱リン機能のない活性汚泥から、嫌気好気運転にすることにより変化するキノンプロファイルを調査し、脱リン機能と相関のあるキノン種を探索するなど、モデルにおける汚泥微生物群組成の遷移や動態をキノンプロファイルとの関連して検討した。 2.脱リンモデルの改良とその検証 IAWQ ASM2では、回分式活性汚泥法での処理水のリン濃度を的確に表現できないこと、嫌気工程における有機物の貯蔵とリン放出の関係にpHが大きく作用する傾向を見いだした。また、沈殿・排出工程ののち残留する硝酸塩濃度によるリン溶出抑制などの検討から、脱リン細菌による脱窒機能の組み込みが必要であることを明らかとした。そして、定常状態だけでなく、外乱として硝酸塩を添加した応答実験での非定常な水質変動をもシミュレーションできた。 3.脱窒・脱リンの最適化手法の提案と計測制御システムの検討 運転管理を検討するための第一段階の回分式活性汚泥法のモデル化が終了した。したがって、表示に工夫をした実務者向けシステムへのモデルの組み込みを開始できる段階となった。
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