研究概要 |
平成7年度は降灰除去用散水器の開発に研究の重点をおき,以下のような特長をもつ散水装置を設計・試作した. (1)本散水装置の原型である従来型の流体論理素子では,流れを二方向に分岐させるために採用されているスプリッタを本装置では採用してしない.これは,単に流れを分岐させるのが目的ではなく,なるべく大きな角度で圧力水を発振・散水するためである. (2)本散水装置は,通常のポンプで昇圧する程度の圧力,流量でも充分に自己発振する.これは、例えば既設の散水車に付置して自己発振・散水することが本散水装置に最も要求される点である.本年度に開発・試作した散水装置は降灰を除去するに充分な自己発振・散水を行うことが確認された. (3)流れが偏向される際に側壁との間に低圧渦領域形成されるが,本散水装置ではこの低圧渦領域にそれぞれ,1個の小孔を有する.これは噴出する圧力水が安定した発振動作を行うように工夫したものである.しかもこの小孔は,ここに桜島火山からの降灰が詰まってその機能が阻害されることのないように,散水装置の下側に取り付けている. このような特長をもつ散水装置について,入り口圧力を種々変化させて,そのときの自己発振の様子をビデオカメラで撮影して散水角度の測定を画像処理装置を用いて行った.さらに,散水量分布の測定もあわせて行った.その結果,入り口圧力の増加につれて散水角度は増加し,散水量分布の広域化と平均化が促進されることが明らかになった.
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