研究課題/領域番号 |
07555178
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
黒羽 啓明 熊本大学, 工学部, 教授 (30040372)
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研究分担者 |
越智 健之 熊本大学, 工学部, 助教授 (20145288)
小川 厚治 熊本大学, 工学部, 教授 (80112390)
山成 実 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (90166760)
牧野 雄二 熊本大学, 工学部, 教授 (70040433)
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キーワード | 溶接止端 / 脆性破壊 / 延性きれつ / きれつ開口変位 / J積分 / 有限要素解析 / 耐震設計 / ひずみ速度 |
研究概要 |
溶接T継手試験片の引張・曲げ複合加力試験を繰り返し行った。実験変数は、板厚および引張・曲げ予ひずみの大きさである。少数の供試体については、低温下の実験を行った。破壊形態は、溶接止端部より延性すべり亀裂が始まり、この亀裂が脆性破壊に転化して全断面破壊に至る。板厚が大きいほど、予ひずみが大きいほど、温度が低いほど脆性的な破壊を示す予想通りの実験結果が得られた。非線形有限要素解析により、溶接止端部に亀裂が発生するまでの荷重・変形関係を正確に再現することが出来た。止端部に延性亀裂が発生する時点は、止端部の要素の平均ひずみが材料の一様伸びに達することで予測できる。ただし、発見時の亀裂の大きさと解析に用いる要素の大きさが関係するので、解析によって要素の伸びをほかの破壊パラメーター(CTOAなどの)に換算する必要がある。 亀裂先端が鈍化し、底から新たな亀裂が発生する成長の挙動を、有限要素解析で再現できることが分かった。亀裂の成長を制御する破壊パラメーターにJ積分値またはCTOAを用いて亀裂の成長を予測する解析手法について研究が進行中である。 亀裂発生後の耐力評価の1手法として破壊評価線図(failure assessment diagram)を応用したところ、簡単かつ的確に評価できそうなことが分かった。 兵庫県南部地震で芦屋浜高層アパートの柱が脆性破壊した。これは実物実験による貴重なデーターを提供するものであり、本研究の一環として調査を進めている。実構造物の動的解析の結果から、柱材に作用したひずみ速度は10%/sec程度に達しており、脆性破壊の有力な原因となることが分かった。
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