研究課題/領域番号 |
07555182
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 泰人 京都大学, 工学研究科, 教授 (60025963)
|
研究分担者 |
佐藤 行成 日本科学工業株式会社, 研究部, 部長
梅宮 典子 京都大学, 工学研究科, 助手 (90263102)
|
キーワード | 環境放射束計 / 立方体放射束計 / 短波長放射 / 長波長放射 / 有効日射吸収率 / 較正 / 人工太陽光源 |
研究概要 |
(1)製作された3素子型の立方体放射束計を用いて、その実用性を検討するために実測を行った。人体が受ける放射熱量を測定することを想定して、床上1mの高さにセンサーを保つこととした。恒温恒湿室での実験では、予想されるように各面ともほぼ同様の値を示した。南側に窓を面する部屋で太陽が室内に入り込む場合の実験では、立方体の南に向いた面の特に日射の受熱量の値が異常に大きい値を示した。屋外で建物の屋上の実験では、日中の値に異常に大きい値を示した。このことから、有効日射吸収率の較正値が正確でないことが示唆された。 (2)短波長放射(日射)に対する較正にはハロゲン電球による光源を用いていたので、それを人工太陽光源に置き換えて較正をやり直した。この人工太陽光源はハロゲン電球とキセノン電球とからなるもので、自然の太陽光の極めて近い波長分布特性をもつことがわかっいる。その結果、日射の受熱量の値がかなり改善されたが、まだ十分ではなかった。 (3)風速の変動に対応して受熱量が変動する特性を示したことから、風速に対する較正が不十分であることが示唆された。そこで、風速の較正について検討を行った。その結果、風速については実験的に較正を行う必要がなく、理論的に定めることができることがわかった。結果に基づいて較正のやり直して測定値に適用すると、結果は大幅に改善された。これによって、環境放射束計の較正方法をより正確に、かつ簡単に行う方法を確立することができた。
|