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1996 年度 実績報告書

Ti-Pd-Ni系高温形状記憶合金の開発

研究課題

研究課題/領域番号 07555185
応募区分試験
研究機関筑波大学

研究代表者

大塚 和弘  筑波大学, 物質工学系, 教授 (50029881)

研究分担者 植木 達彦  古河電工(株), 横浜研究所, 研究員
鈴木 雄一  古河電工(株), 横浜研究所, 所長
キーワード形状記憶合金 / 高温形状記憶合金 / Ti-Pd / Ti-Pd-Ni / 再結晶 / 回復 / 逆変態
研究概要

本年度は、試作した定荷重型の高温形状記憶特性評価装置の性能評価、Ti-Pd-Ni合金にBを添加したときの析出物の構造決定、回復・再結晶過程及び析出物による特性改善につき詳細の研究を行い、以下の結果を得た。
(1)昨年度試作した差動トランスを用いた高温形状記憶特性評価装置を詳しく調べた所、伸びの装置に問題のあることが分かり、その原因は差動トランスで伸びを取り出すロッドの熱膨張によることが分かり、ロッドを金属から石英棒に変えることにより解決した。(2)昨年度見出したB添加によって生ずる析出物の組成と構造を分析電子顕微鏡と電子回折で調べた結果、析出物はTiB_2であることが明らかになった。(3)しかしこうして生じた析出物はμmオーダーと大き過ぎるため、粗大化の原因を調べた結果、これ迄行ってきた1000℃で5hr.の均質化処理によることが分かり、均質化処理を省くことにより、析出物の粗大化を避けられることが分かった。しかし高温強度を改善するため、析出物を細かく均一に分散させる技術はこれからの問題である。(4)上述したB添加による析出物利用の他、今回はTiの濃度を従来の化学量論組成50%からずらしたTi_<50.6>Pd_<36>Ni_<19.4>の合金を製作して、熱処理後の組織及び高温形状記憶特性を調べた結果、500℃で1hr。時効するとTi_2(Ni,Pd)と考えられる析出物が生成し、高温形状記憶特性を改善できることが分かった。(5)昨年度の研究では、マルテンサイトの逆変態がTi-Pd-Ni合金の回復・再結晶をコントロールするという極めて興味深い結果が得られたが、今回は更に一歩進めて、逆変態温度の高いTi_<50>Pd_<50>合金では、マルテンサイト状態で再結晶の起こることを見出した。即ちマルテンサイトの構造を持つにもかかわらず、マルテンサイト変態に特有な格子不変変形を含まず、irregularな界面を持つマルテンサイトが再結晶によって生ずるという大変興味深い結果が得られた。これはこの相の安定性ともからむ重要な問題である。又マルテンサイト状態における再結晶の詳細な電子顕微鏡による観察は今回が初めてといってよい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] YaXu: "Recovery and Recrystallization Prosesses in Ti-Pd-Ni High Temperature Shape Memory Alloys" Scripta Materialia. (in press). (1996)

  • [文献書誌] YaXu: "The Effect of Reverse Transformation on Recovery・Recrystallization Process in Ti-Pd-Ni High Temperature Shape Memory Alloys" MRS Proceedings,Boston. (in press). (1996)

  • [文献書誌] YaXu: "Recovery and Recrystallization in the Ti_<50>Pd_<50>Martensite" Materials Letters. 30,2,3. 189-197 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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