研究課題/領域番号 |
07555186
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
市野瀬 英喜 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30159842)
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研究分担者 |
宮沢 薫一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60182010)
石田 洋一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60013108)
伊藤 邦夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20010803)
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キーワード | 電顕観察用超薄編 / レーザー / 量子過程研磨 / 原子結合切断 / 試料損傷 / 平滑な表面 |
研究概要 |
本研究のねらいは、表面が平滑で内部や表面に損傷を与えず、励起電子波の波長程度に厚みを制御できる、電子顕微鏡観察用薄片試料作成技術を開発するところにある.これを実現するための基礎原理は、従来型のイオンと原子の古典力学的相互作用ではなく、短波長電磁波(レーザー)と固体中原子結合電子との電子力学相互作用である. 具体的作業は、(1)量子化学過程で原子結合を切断できる物質/波長の組み合わせの検証、(2)原子剥離に熱的過程が随伴する組み合わせの割合の検証、(3)随伴する熱的過程が試料に与える損傷の影響、等である.今年度に予定した作業は、まず装置(短波長レーザーと制御用周辺機器、電子顕微鏡観察用試料ステージ等)を導入しこれを立ち上げた後、各種物質について、おおよその研磨試験を行うことである.装置の導入は外国製品であることが影響して、やや遅れ気味となったが、設計通りの条件を満たしつつ稼働させることに成功した.装置を使っての原子剥離による研削(研磨)試験は、fcc金属(銅)、シリコン、有機固体材料(アクリル)について行うことができた.研磨速度は有機固体材料、fcc金属、シリコンの順で速く、自由電子による電磁波の反射が心配したほどではなく、金属にも応用できることがわかった.表面性状は、何れの場合もイオン研磨法を用いたものよりは平滑でり、これもほぼねらい通りの結果となった.試料内部の状況についてはまだ詳しく調べていないが、今年度に予定した予備的試験はほぼ計画通りに進行した.次年度からは上記(1)(2)(3)の作業を本格的に行う.
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