研究課題/領域番号 |
07555198
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
江口 浩一 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00168775)
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研究分担者 |
村上 信明 三菱重工業, 長崎研究所, 化学研究室長(研究職
関澤 好史 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (20253536)
大瀧 倫卓 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (50223847)
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キーワード | 窒素酸化物 / 固体吸収剤 / NO酸化触媒 / MnOx-ZrO_2 / NOx接触還元 / 可逆的吸収脱離 / CO選択酸化反応 / 複合酸化物触媒 |
研究概要 |
本研究で開発している固体酸化物中へのNOx吸収除去法は、排ガス中の希薄なNOxを効果的に除去でき、共存ガスの影響のない状態で触媒反応を行うための分離濃縮プロセスとして注目されている。また、NOx吸収剤の評価法として雰囲気の動的変化を用いた例は報告されていない。本年度は、還元剤であるC_3H_8の濃度を経時的に変化させることによってMn-Zr系複合酸化物及びPt-ZrO_2/Al_2O_3系NOx吸収剤のNOx吸収-放出特性を比較検討した。ここで用いた吸収剤であるMnOy-ZrO_2およびPt-ZrO_2/Al_2O_3上では、酸化雰囲気下ではNOの酸化で生成するNO_3^-の固体内への吸収が、加熱条件下あるいは還元雰囲気ではNO_3^-吸着種の還元によるNOの脱離が進行する。これらのNOx吸収剤に500ppmNO+5%O_2+0.5%C_3H_8+Heの酸化性ガスを供給すると、初期にはすべてのNOが除去され、吸収が飽和に達した後、最終的にはNOx除去率は一定となり、その時の除去率はPt-ZrO_2/Al_2O_3の方が高くなった。これは供給ガス中にC_3H_8を含むためNOのN_2とN_2Oへの接触還元反応が吸収反応と同時に進行し、Pt-ZrO_2/Al_2O_3の方が還元活性が高いためと考えられる。供給ガスを500ppmNO+5%O_2+1.5%C_3H_8+Heの還元性ガスとすると気相中の酸素濃度が減少するため吸収量は少なくなる反面、接触還元の割合は大きくなった。MnOy-ZrO_2に比べPt-ZrO_2/Al_2O_3のNOx放出ピークが極めて小さくなるのは、放出時にPt上で接触還元が起きているためである。以上のように複合酸化物系および酸化物担持金属系のNOx吸収剤のNOx除去-放出挙動には気相中の酸素分圧が大きく影響し、さらに還元剤の存在や、触媒が酸化物か貴金属かによって吸収量や放出される窒素酸化物が大きく異なることが明らかになった。
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