研究概要 |
ガラスの表面構造を真空高温炉を用いて観察した.この知見み基づきこれを化学修飾して機能化し,酵素の固定化,核酸の固相合成法における担体およびSPG多孔質ガラス管にる膜乳化法における水/油系の懸濁液の製造を試みた. ガラスの表面は通常水分子に覆われているので,ガラス表面の水酸基の構造を明らかにするには湿り気を遮断して,高温で脱水したままでガラス表面を観測する装置が必要であり,今回は特にこの点に重点をおいて研究を進めている. 昨年度,ガラス表面からの脱水の過程について詳細な測定を行うことが出来た.さらにこれに湿った空気を導入し,ガラス表面が水で覆われる過程を観測することも出来た.今年度はバイコール型やゾルゲル法で作られた,同じぐらいの細孔径,細孔容積の多孔体について脱水時の赤外線吸収スペクトルおよびスペクトルによる水分吸着過程の観察を行った. 中西らにより新しい方法で開発されたゾル・ゲル法多孔体は,バイコール型のものやSPG多孔体とは違って高純度ケイ酸の多孔体であって900℃に加熱してもシラノール水酸基が残存していることを推定しているが,今回このような表面構造を温度800℃付近まで確認した. これらの知見をもとにしてこのようなシラノール基に幾つかの物質を結合させ,新しい表面処理の可能性を調べた.
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