• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

チタン酸ジルコニウム固溶体の新しいマイクロ波誘電体開発

研究課題

研究課題/領域番号 07555200
研究種目

試験研究(B)

研究機関神奈川工科大学

研究代表者

井川 博行  神奈川工科大学, 工学部, 教授 (30016612)

研究分担者 小俣 孝久  神奈川工科大学, 工学部, 助手 (80267640)
キーワードマイクロ波誘電体 / α-PbO_2構造 / チタン酸ジルコニウム / 比誘電率 / Q値 / 共振周波数温度係数
研究概要

○ チタン酸ジルコニウム固溶体Zr_xHf_yTi_zO_4(x+y+z=2)のマイクロ波誘電性
本研究は表記組成系で、特にQ値が実用品を上回る材質の開発を主眼としている。そこで、いずれも高純度の原料を用いた水溶液からの共沈法と粉末混合法につき研究した。
高純度原料を用いた構成元素の高濃度水溶液の製法を次のように確立した。濃硫酸に硫酸アンモニウムを加熱溶解させ、それに酸化ジルコニウムを加えて300℃程度まで加熱して溶解させる。ハフニウム金属片は加熱濃硫酸に比較的容易に溶解する。チタン金属を硫酸に溶解させるのは容易でないので、塩化チタン液を塩酸に滴下溶解させた。各水溶液の所定混合液に過剰のアンモニア水を加えて共沈物を得た。それを1150℃で5時間の焼成により目的物が生成した。その成形焼結体の内部の黒い変色部は、エニールでかなり除去できるが、完全な再酸化は困難である。そのため、f・Qが14.5GHz程度の不十分な結果しか現状では得られない。
各構成元素の酸化物を原料とした製法では、粉砕方法による不純物の混入が誘電性に与える影響に注目している。相対密度98%の緻密な焼結体の作製には成功したが、前記の還元変色などに障害され、粉砕方法などがQ値に与える影響の検出には成功していない。
○ Ba_<1-x>Ca_x(Mg_<1/3>Ta_<2/3>)O_3複合ペロブスカイトのマイクロ波誘電性
本化合物系につき、次に列記する事項などを明らかにした。
・Ba(Mg_<1/3>Ta_<2/3>)O_3固溶体へのCaの固溶限界はx≦0.3で、Ca(Mg_<1/3>Ta_<2/3>)O_3固溶体へのBaの固溶限界はx≒0.9である。
・xが0.0から増えるに従い、比誘電率が増加し0.24付近で極大値35.5を取る。その後はxの増加に伴い比誘電率が単調に減少する。
・fQ値の組成依存は上記とは対称的にxが0.24付近で極小となる。
・共振周波数温度係数の組成依存は、比誘電率のそれと似てはいるが明らかに異なり、xが0.16で極大値290を取る。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 井川博行: "マイクロ波誘電体の物性を律する因子" セラミックス(Bulletin of the Ceramic Society of Japan). 30. 313-317 (1995)

  • [文献書誌] 井川博行: "複合ペロブスカイトの構成元素とマイクロ波誘電性の相関の最近の研究" 第15回電子材料研究討論会講演予稿集. 31-32 (1995)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi