研究課題/領域番号 |
07555209
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡田 益男 東北大学, 工学部, 教授 (80133049)
|
研究分担者 |
松村 勇一 (株)ユアサコーポレーション, 中央研究所, 研究員
竹島 健次 (株)ユアサコーポレーション, 中央研究所, 第一研究部長
高村 仁 東北大学, 工学部, 助手 (30250715)
中村 元 東北大学, 工学部, 助手 (40250716)
|
キーワード | 水素吸蔵合金 / アモルファス相 / La-Ni-B系合金 / 液体急冷法 / LaNi_5相 / 微細結晶粒 / ニッケル・水素電池 / 微粉化抑制 |
研究概要 |
本研究において、初期活性化が容易であるために実用化の先行している希土類-Ni(LaNi_5)系合金を選び、アモルフォス化⇒熱処理により、ナノサイズのLaNi_5結晶粒をアモルフォス母相中に分散させた組織を得ることにより、ニッケル水素電池の高電気容量化および長寿命化を計ることを目的とし、本年度得られた結果は以下の通りである。 (1)LaNi_5結晶粒をアモルフォス母相中に分散させた組織を有する合金開発 アモルフォス形成元素であるBを添加したLa-Ni-B系合金において、メルトスパン法により広い組成範囲でアモルフォス相が形成された。次に、得られたアモルフォス合金の結晶化温度を求め、どんな相が何度で結晶化するか示差熱分析、X線回折法により明らかにし、LaNi_5相が結晶化する最適熱処理温度を決定した。その結果、約500℃以上の熱処理によりLaNi_5相が晶出した合金組成は(LaNi_5)_<0.8〜0.7>(LaNi_<12>B_6)_<0.2〜0.3>合金等であった。 (2)PCT(圧力-組成等温線)曲線の測定 これらのLaNi_5相が微細に結晶化した組織を有する試料について、PCT(圧力-組成等温線)曲線を測定した結果、アモルフォス相はほとんど水素を吸収しなかったが、熱処理により結晶化させた試料は水素吸蔵量は増加し、約0.9mass%であった。LaNi_5相の水素吸蔵量に比較すると、約半分の値である。しかし、30回水素吸放出による微粉化はLaNi_5相より粒度分布が粗大粒が多く、アモルフォス相より結晶化させた試料の方が微粉化特性は良好であった。
|