研究課題/領域番号 |
07555212
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山根 正之 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016382)
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研究分担者 |
矢野 哲司 東京工業大学, 工学部, 助手 (90221647)
柴田 修一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00235574)
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キーワード | Cu^+イオン / レーザガラス / リン酸塩ガラス / 波長可変 / 青色発光 |
研究概要 |
Cu^+イオンによる450nm付近の青色発光を利用した波長可変固体レーザーを作製することを目的として、銅を1価のCu^+イオンとしてのみ含むカルシウムリン酸塩ガラスの作製条件を明かにし、得られたガラスについてレーザー発振の可能性を評価するために、自作の光学系を用いて利得の測定を行った。ガラスの作製を当初計画したように酸素分圧を10^<-10>気圧以下に厳密に制御した電気炉中で行ったところ、リンが揮発して結晶化が起こり所望の条件を満たすものは得られなかった。しかし、予め大気中で溶融して得た銅含有リン酸塩ガラスに還元剤としてシリコンを添加し、シリカガラスアンプル中に減圧封管して再溶融したところ、銅に対するシリコンの割合が約2.5の時、ほぼ全ての銅を1価のCu^+イオンとして含む均質なガラスが得られた。ガラスを3×3×15mmの直方体に切断し、鏡面研磨を行って利得測定試料とした。測定は予めレーザー色素であるロ-ダミンで検定した自作の光学系において、Nd:YAGレーザーの第4高調波を励起光に、アルゴンイオンレーザーをプローブ光にそれぞれ用いて行った。その結果強い紫外光によりガラス中に欠陥が生じ、それを介してCu^+イオンがCu^<2+>イオンに変化するため、励起光が吸収されて利得測定が不可能であった。このCu^+イオンのCu^<2+>イオンへの変化を引き起こす欠陥の生成は、カルシウムの一部をアルミニウムに替えてガラス中の非架橋酸素を低減することにより、減少させることが可能であり、波長可変固体レーザーの作製には、母ガラスを非架橋酸素を含まない組成にする必要のあることが明かになった。
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