研究概要 |
本年度では研究実施計画に従って、まず、減圧プラズマ溶射法を用いて、Al_2O_3コーティング、Cr_2O_3コーティング及びZrO_2コーティング材試験片をそれぞれ作成した。レーザー溶射法によって、TiN傾斜機能皮膜も作成した。試片は平板状(円盤)で、セラミックスを約200〜300μmまでコーティングした。セラミックスと基材(SUS 316,SS400,SUS329)との間には物理的、化学的性質について大きな差があるので、一部のセラミックコーティング層と基材の間に、ニックラリ(NiCrAlY)中間層を溶射した。その厚さは約200μmにした。 作成した平板状試片について、当研究室で開発された隙間噴流装置を用いて、セラミックコーティングの耐エロ-ジョン性の評価を行った。スラリーは珪砂一水系(SiO_2-H_2O)で、珪砂の濃度は30wt%に固定した。試験結果によると、溶射条件はコーティング層の耐スラリーエロ-ジョン性に対して、大きな影響を及ぼすことが分かった。全般的に見れば、セラミックコーティングされた円盤試片は基材よりも耐スラリーエロ-ジョン性が良い。ところが、コーティングされた皮膜の耐エロ-ジョン性は試片の場所により異なる現象が現れた。これは隙間噴流装置でスラリー噴射の角度、濃度などか試片の場所により異なるためと考えられる。そこで、スラリー粒子の衝突角度、衝突頻度(濃度)などを理論的及び実験的に推測した。この結果によると、セラミックコーティング材は高い衝突角度では耐スラリーエロ-ジョン性が低いが、低い衝突角度ではかなり優れている。
|