研究課題/領域番号 |
07555222
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研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
奥山 優 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (50042528)
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研究分担者 |
武 成祥 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (20259815)
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キーワード | 生体インプラント材料 / 形状記憶合金 / Ni-Ti合金 / プラズマ溶射 / 表面処理 / 封孔 / シアノアクリル樹脂 |
研究概要 |
著者らは生体インプラント材料としてNi-Ti形状記憶合金の利用を考えているが、そのままでは孔食が発生するので、表面にTiをプラズマ溶射して防食を試みた。しかし、溶射層が多孔質であるため、むしろ孔食を増長させる結果となり、生体親和性の有機高分子を用いて封孔することを試みた。前年度はシリコーン樹脂および二液型のエポキシ樹脂による封孔を検討したが、平成9年度は一液性型であり、速乾性である、比較的粘性の低い、シアノアクリル系接着剤を採り上げ、その封孔特性およびその孔食防止性能の評価を検討した。Ti溶射試料に市販の接着剤である-液性シアノアクリル系樹脂を注入し、重合させた。本樹脂は粘度が低いので最初は希釈せず使用したが、しかし速乾性であり、Ti層底部に浸透せぬ内に固化したので、重合反応速度を抑制するためにアセトンまたは四塩化炭素により希釈して封孔を試みた。その結果、Ti溶射試料の封孔を試みると、速乾性のため樹脂はすぐに固まって表面層のみしか封孔できず、また、固化した面に亀裂を生じ、孔食は抑制されなかった。そこで、重合反応の反応速度の低下のためにシアノアクリル樹脂のアセトンによる希釈を試みた。樹脂がTi層底部に達し、尚且つ底部まで充分封孔できるかどうかは接着剤の希釈と重合速度の競争反応である。この結果、アセトンによる希釈度は7倍が最適であることが、電気化学分極実験から評価された。この時、試料断面のEPMA分析でも底部まで充分量侵入していることが確認された。また、シリコーン、エポキシ樹脂との比較ではエポキシ樹脂に次いで良好な封孔性を示した。
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