研究課題/領域番号 |
07555224
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
徳田 昌則 東北大学, 学際科学研究センター, 教授 (30006027)
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研究分担者 |
速水 清之進 大平洋金属(株), 研究開発部, 部長(研究職)
内田 聡 東北大学, 反応科学研究所, 助手 (60232849)
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キーワード | 水熱反応 / ニッケル / リーチング / 速度論 / 硝酸 / 高温水溶液 / 加水分解 / 高速 |
研究概要 |
高温水溶液はその中での無機化合物の溶解挙動が変化に富んでおり、難溶性の鉱物でさえ溶解させる特殊な性質から“ストレス溶液"として古くから地質学者の興味のある対象とされてきた。特に、本研究では、申請者らが新たに見出した硝酸鉄系新溶媒の高速溶解機構を確認すると共に、それをレアメタル回収プロセスとして完成させるために、より高速な溶解のための高温高圧条件の探索と共存元素の影響やガス発生の抑制条件など基礎的課題の解明を目的として実験を行い、以下の実績を得た。 (1)最適抽出条件の探索 NOxなどの抑制機構の解明は反応効率の確保と環境保全の両面から重要である。取り掛かりとしてニッケル-硝酸鉄水溶液系の組み合わせを用い、反応機構の解明を目的としてESR装置(平成7年度購入)によるラジカル測定と同時に、ガスクロマトグラフ(平成7年度購入)による発生ガスのモニタリングを行った。その結果、ニッケルの溶解を促進させるためには酸化剤の供給が重要であることを明らかにした。種々の試行錯誤的な試験研究の中から、ニッケル金属を溶解させる場合、硝酸濃度6.0M,鉄濃度0.2Mに最適点がある(則ちNOx発生量を抑えつつ高速に溶解させる)ことがわかった。 (2)二次資源処理への応用 ここで得られた基礎研究を発展させると同時に、廃電池・廃触媒等各種のニッケル含有スクラップや廃棄物を対象にした実用化実験を試みた。とくにNi-Cd蓄電池に応用した場合、スチール製の筺体は残したままニッケルとカドミウムを選択的に溶解できることを突き止めた。
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