研究課題/領域番号 |
07555230
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
雀部 実 千葉工業大学, 工学部, 教授 (00016370)
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研究分担者 |
三橋 賢司 大阪酸素, 計測機器部 市川工場, 技術グループ
長塚 利男 大阪酸素, 計測機器部 市川工場, 技術グループ
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キーワード | いおう / 酸素センサ / 溶鉄 / その場分析 / 化学センサ / 副電極 |
研究概要 |
溶鉄中のいおう濃度を現場で迅速に分析する“その場分析"法を開発するため、ジルコニア固体電解質からなる溶鉄用酸素センサを応用したセンサの作製について検討した。このセンサの特徴は溶鉄用酸素センサの外側を、底の開いた石英製キャップで覆い、キャップと固体電解質の隙間に副電極を配置させこの隙間に溶鉄を導入し、局部的にいおう濃度測定のための平衡状態を作るというものである。 まず、本センサの作動する条件を化学熱力学的に検討し、作製が可能であることを確認した。次にCaSとCaOの混合物が副電極として適当であることを見い出した。ついで、副電極の充填方法を含むセンサの構造について検討し、石英キャップおよび副電極の最適形状を決めた。次に、副電極に少量の酸化鉄を添加することによりセンサの測定精度が向上することを見い出した。しかし添加するFe_2O_3が多いと、FeOもしくはFe_3O_4の平衡酸素分圧を測定してしまう。したがって、今後は最適Fe_2O_3添加量の確認が必要となろう。いおう濃度0.008%〜0.2%に間において、LECO社のCS-400で化学分析した炭素飽和溶鉄中のいおう濃度とセンサで求めたいおう活量は対応しており、本電極はいおうセンサとして作動していることが確認された。またその測定に要する時間は10数秒と短いものである。 次にいおう以外の元素がセンサの起電力に与える影響を調べるため、実用上最も大きな影響を受ける可能性のあるSiについて調べた。その結果Si濃度0.1〜1.0%の範囲において、本センサの測定値は全く影響を受けないことを確認した。
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