研究課題/領域番号 |
07555233
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
定方 正毅 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30011175)
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研究分担者 |
佐藤 行成 日本カノマックス株式会社, 研究部, 部長
原野 安土 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90238204)
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キーワード | 質量分析計 / 超微粒子 / レーザーアブレーション / 核生成 |
研究概要 |
クラスターから超微粒子への成長過程を速度論的に明らかにするためにはクラスターレベルから数nmの領域をin situに測定する粒径測定装置が必要不可欠である。本研究では新たに「偏向型粒子質量分析装置」の開発を行い、レーザーアブレーション法により生成した超微粒子を用いてその性能の評価を行った。 その成果について列記する。 (1)粒径が約5nm以上の粒子について質量分級を行ない、その結果が電子顕微鏡による観察結果と一致した。 (2)レーザー蒸発法から生成する粒子の中に存在する天然帯電粒子について質量分析を行ない、質量換算50%粒子は1次粒径5nmの粒子が4個程度凝集した粒子であることがわかった。 (3)レーザーをLong pulseモードで照射した際に生成する粒子は大きく凝集していることがわかった。 (4)粒子質量分析装置と電子顕微鏡による観察の結果、レーザー蒸発法で生成する粒子の形状をもっとも大きく変化させたのはレーザー光の発振モードの違いであり、凝集の進み具合が大きく異なった。しかし、1次粒径については、雰囲気ガスの圧力変化やレーザー光の発振モードの変化による影響は見られなかった。 (5)電子顕微鏡による観察の結果、レーザー蒸発法での粒子生成によって、1次粒径が約2nmの非常に小さな粒子ができていることがわかった。この大きさは、これまでレーザー蒸発法によって生成するとされてきた粒子の大きさの中ではもっとも小さいものである。
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