研究概要 |
本研究の遂行に必要となる低濃度CTC(Carbon tetrachloride)蒸気発生器,音速ジェットコロナ放電装置,α線源イオナイザー,イオン核凝縮装置,冷却式二重円筒型コンデンサーを製作した。さらに,これらの試作装置の性能評価を行った結果,(1)音速ジェットコロナ放電装置については,針電極にかける電圧,オリフィス電極の孔径,電極間,放電場圧力を様々に変えて,最も高い電子密度が得られる強権を求めた結果,オリフィス径0.4mm,圧力207kPa,印加電圧‐8kVのときに,最大電子密度10^8electron/cm^3が達成できた.また,(2)^<241>Am,82μCi,α線源を用いたイオナイザー電極間の電界強度を10〜30V/cmに変化させることで,窒素イオン濃度を10^5〜10^6ion/cm^3が達成できた.さらに,(3)連続混合型イオン核凝縮装置について,成長後の粒子が安定なDibuthylphtalate(DBP)蒸気を用いてイオンの成長実験を行った結果,イオン雰囲気温度20℃,イオンとDBP蒸気の混合比0.3,過飽和度60の操作条件で,粒径2nmのイオンクラスターが100%成長できた,(4)冷却式二重円筒コンデンサーとHEPAフィルターを併用することで,高濃度のCTC蒸気から生成した粒子を高い収率で捕集できることがわかった.以上のように,本年度までにVOC分離回収システムに必要な個々の装置の製作,また一部については装置の性能評価もほぼ完了している.
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