研究概要 |
(1)対象プラントの測定値を正常値と異常値に区別できると仮定した場合に,サブシステム間の情報交換なしに異常の原因の探索ができる対象領域に分割するプログラムを,大規模な対象プラントに関する計算を行うためにエンジニアリングワークステーション上で開発した。 (2)アルデヒド法酢酸製造プロセスの酸化反応工程の異常診断用モデルとして,状態変数を点で,状態変数間の因果関係を有向枝で表し,さらに,関係が「助長」か「抑制」かを有向枝に「+」,「-」の符号を与えることにより表現する符号付有向グラフを採用した。アルデヒド法酢酸製造プロセスの酸化反応工程の符号付有向グラフを作成し,上記のプログラムを用いて,対象領域に分割した。 (3)(2)で求めたそれぞれの対象領域の異常診断を行う異常診断システムをパーソナル・コンピュータ上に作成した。さらに,それらの異常診断システム間で情報交換を行って,診断確度,診断精度の向上を計る分散型異常診断システムを,個々の異常診断システムを格納したパーソナル・コンピュータをネットワークで結合することにより実現した。 (4)アルデヒド法酢酸製造プロセスの酸化反応工程の動的シミュレータをエンジニアリングワークステーション上で作成したが,異常時のシミュレーションにおける数値的安定性に問題が残っており,来年度において解決する予定である。
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