研究課題/領域番号 |
07555246
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大塚 康夫 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (20091663)
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研究分担者 |
庄 前林 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (70271997)
村松 淳司 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (40210059)
菅原 勝康 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (60154457)
佐藤 芳樹 通産省, 資源環境技術研, 室長
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キーワード | 金属微粒子 / 石炭 / Fuel窒素 / 鉱物質 / 脱窒素触媒 / 熱分解 / 無害化 |
研究概要 |
前年度の研究により、ナノスケールの金属鉄微粒子は、Fuel窒素とりわけ除法が困難と言われてきた石炭中窒素の無害なN_2への転換反応を著しく促進し、特に、石炭中に元々存在するFeやCa含有鉱物質量の少ない場合ほど大きな効果を示すことが明かとなったので、今年度は、このような鉱物質の影響を中心に検討した。 まず、炭化度の異なる15種類の石炭を固定床装置を用いて1000℃で熱分解し、N_2生成量の炭種依存量を詳細に調べ、50〜60%という極めて高いN_2生成率を与える低炭化度炭2種を選択した。次に、これらの石炭をHCl洗浄して鉱物質を除法すると、HCNやNH_3は変化しないもののN_2量が著しく減少することを明らかにし、脱鉱物質前後の配分の組成変化やHCl洗浄後のプラズマ発光分析により、石炭中の含酸素基に結合した鉄イオンが高いN_2生成のキーファクターであることを指摘した。さらに、高性能TEMを用いて、このような鉄イオンが熱分解時には10nm前後の金属ナノ微粒子に変化することを観測するのに成功した。つまり、鉄含有鉱物室は外部より添加した鉄触媒よりも微細な粒子として存在し、顕著なN_2生成促進効果を発揮することを見いだした。XPSやTEMによりN_2生成のダイナミックスにもアプローチし、鉄微粒子がチャー中の含窒素複素環化合物と反応して窒化鉄が生成し、その分解によりN_2が生成するものと結論した。さらに、実際的な観点から、自由落下型装置を用いてこれらの低炭化度炭の熱分解を行い、鉄の効果は固定床熱分解よりも低下するが、ピリジン・ピロール等の含窒素液状成分からのN_2生成が示唆された。そこで、窒素を含まない純炭素物質上に約20nmの金属鉄微粒子を調製し、これらの窒素化合物のモデル分解実験を行い、N_2の選択的生成がナノ微粒子上でのみ進行することを実証した。
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