研究課題/領域番号 |
07555248
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
八嶋 建明 東京工業大学, 理学部, 教授 (60016409)
|
研究分担者 |
庄司 宏 丸善石油化学株式会社, 研究所, 主任研究員(研究職)
小松 隆之 東京工業大学, 理学部, 助手 (40186797)
|
キーワード | モルデナイト / チタノシリケート / 脱アルミニウム / 触媒 / 液相酸化 / 過酸化水素 / 水酸化 / アンモオキシム化 |
研究概要 |
モルデナイト型チタノシリケートを触媒として、芳香族炭化水素の過酸化水素による液用水酸化反応を行った。チタノシリケートは脱アルミニウムしたモルデナイトをTiCl_4を用いたAtom-planting処理することにより調整した。トルエンの水酸化におる反応生成物は主にクレゾール異性体であり、選択率は99%以上であった。チタン当たりの反応速度(TON)は、アルミニウム含有量の減少にともない向上した。脱アルミニウムにより触媒の疎水性を高めることが、触媒の高活性化に有効であると考えられる。反応物にベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、クメン、t-ブチルベンゼンを用い、反応物分子の大きさによる立体的な影響を調べた。TONは、ベンゼンからクメンまであまり変化しないが、t-ブチルベンゼンでは大きく低下し。一方、モルデナイトよりも細孔径が小さいMFI型チタノシリケートを触媒とすると、ベンゼンではモルデナイト型と同程度のTONであったが、トルエンでは半分程度に減少し、エチルベンゼン以上では大幅に減少した。また、キシレンの3種の異性体を反応物とした場合、モルデナイト型では反応性が高いO-およびm-キシレンがp-キシレンより高いTONを与えたが、MFI型では逆にO-およびm-キシレンはほとんど反応しなかった。以上の結果は細孔径が大きいモルデナイト型チタノシリケートが従来のMFI型と比べ、嵩高い分子の水酸化に有利であることを示す。 アンモニアと過酸化水素を用いた、ケトン類のアンモオキシム化についても同様な検討を行った。骨格チタン種による963cm^<-1>のIR吸収バンドの強度が、アンモオキシム化の反応速度と比例関係にあることから、この反応に対しても骨格チタンが活性点であることがわかった。骨格中のアルミニウム含有利用の減少とともにTONおよびオキシム選択率とも向上したことから、疎水性が活性だけでなく選択性にも影響を及ぼす事が明らかとなった。
|