• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

吟醸酒の次世代ファジィ制御を目的としたオンライン制御システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 07555257
研究機関名古屋大学

研究代表者

小林 猛  名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)

研究分担者 深谷 伊和男  愛知県食品工業技術センター発酵技術部, 主任研究員
新海 政重  名古屋大学, 工学部, 助手 (70262889)
キーワード吟醸酒 / ファジィ制御 / ニューラルネットワーク / 麹 / 遺伝的アルゴリズム
研究概要

吟醸酒もろみ(発酵)工程の品質まで考慮した自動制御法の構築を目指し、吟醸酒制御システムの構築と品質評価システムの構築に関する研究を行った。
まず、吟醸酒の品質評価システムの構築については、吟醸酒の各種の機器分析値から官能評価値を推定するモデルの構築を目的に、FNN(ファジィニューラルネットワーク)およびHFNN(階層化ファジィニューラルネットワーク)のファジィモデリングの手法を応用した。構築された二つのモデルの入力項目と推定精度について比較した結果、FNNモデルによる推定誤差は最大10%程度の高い精度となった。さらに、HFNNモデルによる推定誤差は最大7%とさらに高い精度となった。選択された入力変数は熟練者の経験とよく一致したものとなった。
次に、吟醸造制御システムの構築については、FNNを用いて吟醸酒発酵制御用ルールの自動抽出を行った。発酵工程を四つの制御領域に分割し、それぞれに対してFNNを構築した。得られたFNNモデルは翌日の設定温度を精度良く推定した。このようにして得られたルールは熟練者である杜氏の経験と良く一致していた。得られたモデルの有用性を我々が開発したシミュレーションで確認した。さらに、構築したFNN推論によるもろみ発酵試験を実際に行った。試験的スケールである総米100kgと商業生産スケールである総米1500kgの発酵試験を行った。対照として熟練者による仕込を行った。その結果、両スケールとも製成酒の各種の化学成分濃度、物理化学値、香気成分濃度、官能検査すべてにおいて、対照仕込とFNN推論仕込の間で大きな違いはみられなかった。このように、FNN推論による制御は熟練者による制御とほとんど同じ品質の製成酒を作ることが可能であった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 花井泰三ら: "階層化ファジィニューラルネットワークを用いた吟醸酒の品質モデリング" 日本ファジィ学会誌. 9. (1997)

  • [文献書誌] 花井泰三ら: "Automatic fuzzy modeling for Ginjo sake brewing process using fuzzy neural networks" Journal of Chemical Engineering of Japan. 30・1. 94-100 (1997)

  • [文献書誌] 花井泰三ら: "吟醸酒の官能評価モデル" 化学工業. 2. 17-21 (1997)

  • [文献書誌] 本多裕之ら: "Temperature control of Ginjo sake brewing process by automatic fuzzy modeling using fuzzy neural networks" Journal of Fermentation and Bioengineering. 83. (1997)

  • [文献書誌] 西田淑男ら: "ファジィニューラルネットワーク推論モデルを用いた吟醸もろみの発酵試験" 日本醸造学会誌. 92. (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi