研究課題/領域番号 |
07555258
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
新名 惇彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30029235)
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研究分担者 |
瀧原 孝宜 (株)伊藤園, 中央研究所, 研究主事
角田 隆己 (株)伊藤園, 中央研究所, 第一研究室長
関根 政実 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (70226653)
吉田 和哉 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (50252622)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | タバコ培養細胞 / 高発現プロモーター / 代謝工学 / 対数増殖期 / ペクチンエステラーゼ遺伝子 / 熱ショック遺伝子 / HSP18.2プロモーター / GVS活性 |
研究概要 |
植物培養細胞の中で増殖が極めて速く、生理学的研究の進んでいるタバコ培養細胞(Nicotiana tabacum L.cv.BY2)に有用物質生産経路の遺伝子群を植物の高発現プロモーター、制御シス配列の支配下で導入し効率的に物質生産を行わせる代謝工学の確立を目的とした。現在植物で汎用されているCaMV35Sプロモーターより活性の高いプロモーター、発現誘導可能なプロモーターを検索し、特性を明確にすることを目標に置いた。 増殖が速いタバコ培養細胞の対数増殖期でmRNA含量が高く、ゲノム上のコピー数が少ない遺伝子はプロモーター活性が高い、との想定で検索した結果、機能は未知であるがBY2細胞でCaMV35Sの6倍の活性を持つプロモーターを得た。 一方、実用植物細胞培養では高細胞濃度や固定化細胞が考えられ、そこでは細胞増殖はほぼ停止している。この時期に作動するプロモーターも利用価値が高いと考え、BY2から候補遺伝子を3種類得た。その内ペクチンエステラーゼ遺伝子のプロモーターはGUSレポーターで検定した結果、確かに培養6-7日目の増殖がほぼ停止した時期にCaMV35Sの約10倍のプロモーター活性を示した。その発現誘導因子の同定が重要であるが、これは極めて有望なプロモーターである。 シロイヌナズナの熱ショック遺伝子、HSP18.2のプロモーター/GUS融合遺伝子を持つBY2細胞では培養温度を27℃から37℃にシフトすると2時間後にGUS活性は1000倍に増大した。これは熱誘導は転写レベルで起こっていた。最適誘導温度は37℃であった。植物細胞でこのように顕著な誘導がかかる系は貴重である。なお、高温で植物細胞を長時間培養するのは不適で転写因子の一過的発現に利用することが有効であろう。
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