研究課題/領域番号 |
07555260
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
辻 幸一 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30241566)
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研究分担者 |
広川 吉之助 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00005852)
宇高 忠 理学電気工業(株), 研究開発部, 部長
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キーワード | 全反射現象 / 蛍光X線 / 表面分析 / 斜入射・斜出射 / 薄膜分析 / 表面回折 |
研究概要 |
平成7年度は斜入射・斜出射X線分析用精密ゴニオメーターの設計開発をメーカーの研究者と話し合いながら行った。その結果、このゴニオメーターに入射角と出射角の精密制御、および、散乱角の制御も可能な装置にすることとした。よって、従来行ってきた斜入射・斜出射-蛍光X線分析に加え、表面X線解析の測定も可能な複合的な装置となる。また、湾曲型の多層膜モノクロメーターを備えているので、入射角依存測定も精密に行えるはずである。無事、開発が終わり、平成8年2月に東北大学 金属材料研究所に設置され、設計どうしの性能を有していることを確認した。現在、この装置をパソコンを用いて自動測定可能なような改良中である。 このような装置の開発と平行して、従来の試作的な装置を用いて斜入射・斜出射-蛍光X線分析の測定を行った。この実験は予備実験として重要な意味を有している。本測定では全反射現象を利用するため、表面のラフネスが蛍光X線の角度依存測定に影響を与える可能性があるため、これについて調べた。その結果、サブミクロンオーダのラフネスでも試料全体として平行であれば、測定可能であることがわかった。そこで、Fe-Cr合金を切り出しその表面を精密研磨し、斜入射・斜出射-蛍光X線分析により表面分析した。高温酸化を行うと共にCr酸化物が表面を覆うことを確認した。今までこのような測定は超高真空下での電子分光法で行われてきたものである。今回、斜入射・斜射出-蛍光X線分析法によっても大気圧下で非破壊的に表面分析が可能であることが示された。また、本方法によるAu-Si界面反応の解析や多層膜試料の分析も行った。以上の結果については、5つの論文として掲載されているか、もしくは印刷中である。
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