研究分担者 |
酒井 稔夫 三菱化学(株), 筑波研究所, リサーチフェロー
澤田 正実 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (70029883)
林 陽 近畿大学, 理工学部, 教授 (20088313)
阿部 英次 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00006470)
藤瀬 裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60004355)
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研究概要 |
本研究を始めるのに際し,昨年7月末に豊橋技術科学大学で班会議をもった。(1)FABマススペクトルのデータとして何が必要か,標準データとは何か,マトリックスは何を使うか,データに現れるマトリックスのピークは除くべきかなど,FABMSの基本事項について十分な時間を使って討論した。(2)われわれが構築するデータベースはどんなものでなければないかをつぎに議論した。(1)については,ペプチド,糖,ステロイド,テトラサイクリンなどから数種類ずつ化合物を選び,同一条件での測定とそれぞれのもつノウ・ハウを生かした測定をし,データの比較検討から始めることにした。(2)については単にデータを集積してもデータベースとしての価値はあまりない。知識データベースを目指すために,化合物ごとのデータベースを作り,その中に測定条件,特に,僅かな添加物などの情報をつけること,フラグメンテーションがわかる情報などを入れることにした。フラグメンテーションがわかる情報は本研究での大きな課題となった。 12月に神戸薬科大学でFABMS測定者を中心にデータの検討会を行った。互いの持つノウ・ハウを出し合い再度測定を行うことになった。 フラグメンテーションについては日本科学技術情報センターのデータベースからペプチドのEIスペクトルを取り出し,骨格結合開裂の定量性のある解釈を分子軌道計算を使って始めている。ヒュッケルMOに似た経験的なLCBO法を用いて,開裂位置とイオン量の予測を行った。オリゴペプチドでは十分に説明可能なことがわかった。今後はFABMSへの適用を行う予定である。 集積フォーマットは酒井班員の提案した雛形に,必要事項を具体的に入れるべく修正中である。
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