研究分担者 |
酒井 稔夫 三菱化学(株), 筑波研究所, リサーチフェロー
澤田 正実 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (70029883)
藤瀬 裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60004355)
林 陽 近畿大学, 理工学部, 教授 (20088313)
阿部 英次 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00006470)
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研究概要 |
2年目の研究を継続して行った。平成8年8月上旬および平成9年2月上旬に奈良女子大学で班会議をもった。8月の班会議では,昨年度の研究情況の総括を行うとともに,今年度の研究のあり方を検討した。(1)共通に測定した試料について,装置による差が出るかどうか。セクター型の装置(メーカーが異なる)3機種と四重極型MSI機種の結果は,スペクトルにほとんど差のないことが明らかになった。また,FABイオン化とSIMSイオン化にも差が出ないことがわかった。(2)FAB(SIMS)法では,イオン化の際にマトリックスを用いるが,イオン化の効率を上げるために添加物が測定者のノウ・ハウとして大きく影響することがはっきりした。(3)これらのデータを基に,阿部英次班員に集積フォーマットの作成をお願いした。各測定者は阿部班員にデータを送付すると共に,各自のノウ・ハウを集積フォーマットに組み込めるよう提案することにした。 2月の班会議では,阿部班員によりパソコン上でのデータ入力と集積スペクトルの実行結果を見せてもらった。検索の仕方などの説明ののち,化合物の構造式,スペクトル,測定方法などの書き込まれたデータがパソコンの画面に写し出され,これを基にフォーマットの修正点,捕足点などを討議した。このフォーマットは平成9年8月頃に予定している来年度の班会議までに完成してもらうことにした。また,昨年度からの懸案であったペプチドの試料5種が測定担当者に笠間班員から配布された。 科学技術事業団(旧科学技術情報センター)にある日本質量分析学会の質量スペクトルデータ集積部会が提供した約1万件のデータを奈良女子大学に移植した。これを用いて,スペクトルの構造情報を得る基礎的資料としての分子軌道計算によるフラグメントイオンの予測の研究を始めている。
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