研究概要 |
環境保全型の層状粘土化合物,特にカチオン交換モンモリロナイトならびにその表面をフッ素で処理したカチオン交換フッ化四ケイ素雲母,を固体酸触媒とする液相不均一系有機単位反応について検討した。得られた主な研究成果は以下の通りである。1)芳香族化合物(主としてフェノール,アニソール,メトキシナフタレンなど活性なもの)のフリーデル-クラフツ型アルキル化反応によるラズベリ-ケトンの合成法の確立。2)アルキルフェニルエーテルの転位反応によるアルキルフェノールの合成法の確立。3)アルデヒドならびにケトンによるフェノールの還元的核アルキル化反応の開発。4)スチレン類とホルムアルデヒドのとの反応による1,3-ジオキサン類合成(プリンス反応)。5)アルデヒドおよびケトンのメタノールによる基質選択的アセタール化反応の確立。6)tert-ブチルヒドロペロキシドによるアルカン酸化法の開発。いづれの反応においても用いる粘土触媒の再使用が可能であることを確認した。
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