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1996 年度 実績報告書

β-置換ピロールの新規合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 07555284
研究機関東京大学

研究代表者

干鯛 眞信  東京大学, 工学系研究科, 教授 (60011011)

研究分担者 小安 幸夫  三菱化学株式会社, 理化研究所, 副主任研究員
石井 洋一  東京大学, 工学系研究科, 講師 (40193263)
キーワード窒素錯体 / モリブデン / タングステン / ピロール / N-アミノピロール / β-選択的置換反応 / ヒドリド錯体 / ピリジン
研究概要

ピロール環のβ-位への置換基の自在な導入は新しい医薬、農薬などの開発上不可欠であるが、ピロール環の求電子置換反応は強いα選択性であるためβ-置換ピロールの合成は難しいとされている。本研究では、モリブデン、タングステンの窒素錯体から誘導される新規ピロリルイミド錯体の特性を活用して窒素分子からβ-置換ピロールを合成する、全く新しいピロールの合成プロセスを開発することを目的に以下検討した。また併せて、合成化学上重要なヘテロ環系であるラクタム、ピリジンについても窒素分子からの合成を検討した。
平成7年度の本研究により、モリブデン、タングステンの窒素錯体からピロリルイミド錯体を合成し、またそのLiAlH_4還元によりピロールを遊離させることには成功している。この反応を水素を還元剤として触媒的に進行させることを目指し、まずピロリルイミド錯体からのピロールの還元的遊離反応を試みた。その結果ピロリルイミド錯体[WCl(NNC_4H_4)(dppe)_2]Cl,[W(OSO_2Me)(NNC_4H_4)-(dppe)_2][MeSO_3],[MoF(NNC_4H_4)(dppe)_2][BF_4]と過剰量(〜5倍モル)のアニオン性ヒドリド錯体[HFe(CO)_4]^-,[HCr_2(CO)_<10>]^-,[HMo_2(CO)_<10>]^-の反応では19-77%の収率でピロールを遊離させることができた。水素によりピロリルイミド錯体からピロールを触媒的に遊離させる反応に直接つながる知見が得られたと考えている
一方、窒素分子からラクタム、ピリジンの合成に関しても、窒素錯体からフタルイミジン-2-イルイミド、ピリジニオイミドなどの配位子を有する錯体を合成し、そこからフタルイミジン、ピリジン類を得ることにも成功した。これらの反応は窒素分子から各種のヘテロ環化合物を直接合成する反応として大変興味深い。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Hidai: "Toward Direct Synthesis of Organo-nitrogen Compounds from Molecular Nitrogen" J.Mol.Catal.A. 107. 105-112 (1996)

  • [文献書誌] M.Hidai: "Toward Direct Synthesis of Organonitrogen Compounds from Dinitrogen:the Chemistry of Diazoalkane Complexes Derived from Dinitrogen Complexes" Bull.Chem.Soc.Jpn.69. 819-831 (1996)

  • [文献書誌] Y.Ishii: "Synthesis of Tungsten(1-Pyridinio)imido Complexes:the Facile N-N Bond Cleavage to Form Pyridine from Coordinated Dinitrogen" Inorg.Chem.35. 5118-5119 (1996)

  • [文献書誌] H.Seino: "Synthesis and Structure Determinations of Complexes Containing a Five-Membered Lactam Structure Based on Organohydraxido(2-)Ligands" Inorg.Chem.36. 161-171 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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