研究課題/領域番号 |
07555286
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 尚 名古屋大学, 工学部, 教授 (10135311)
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研究分担者 |
石原 一彰 名古屋大学, 工学部, 助手 (40221759)
柳澤 章 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60183117)
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キーワード | アリルバリウム反応剤 / 選択的アリル化反応 / アルファ選択性 / ハロゲン化アリル化合物 / エポキシド化合物 / イミン化合物 |
研究概要 |
今までほとんど研究されていなかったアリルバリウム化合物が、その反応性・選択性共に非常にユニークであり、懸案であった完璧なアルファ選択性を示す唯一の金属であることを当研究室で初めて見出した。本研究ではこのバリウム反応剤の反応性をさらに詳細に検討し、真に有効な反応システムを構築することを目的とする。具体的には、(1)カルボニル化合物、ハロゲン化物やその等価体をはじめとする全ての可能な親電子剤との選択的反応の開発を行う。(2)反応の遷移状態を計算することによって、この反応の選択性の理論的裏付けを得る。(3)こうした基礎的な研究によって、アリル型反応剤を用いる実用的不斉合成を目指す。 当該年度は、まずアリルバリウム反応剤による種々の親電子剤の高選択的アリル化反応について検討を行った。すでに予備的研究において、アリルバリウム反応剤がアルデヒド、ケトンや二酸化炭素等の親電子剤に対して、高アルファ選択的に付加し、しかも-78℃の反応において、そのオレフィンの立体化学が完全に保持されることを見出している。そこでさらに他の親電子剤についても同様にして検討したところ、新たにハロゲン化アリル化合物、エポキシド化合物、およびイミン化合物がアリルバリウム反応剤との反応において、高選択的にアルファ生成物を与えることがわかった。特に、イミン類との反応において、その位置選択性が反応温度に依存し、より高温でアルファ付加体を与える現象は注目に値する。 また、当初に計画した研究計画・方法のうち、アリルバリウム反応剤の効果的調製法の開拓に関しては、Rieke法以外に、バリウム粉末を用いる、あるいはハロゲン化バリウムをBirch還元法により活性化したもの等を用いて反応剤の調製を試みたが、いずれもRieke法を上回る結果は得られなかった。本研究計画については、平成8年度も継続して行う予定である。
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