研究課題/領域番号 |
07555293
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
畑田 耕一 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60029402)
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研究分担者 |
斎藤 宗雄 日本分光株式会社, 第2技術部, 部長(研究者)
西浦 崇文 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (70243194)
右手 浩一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (30176713)
北山 辰樹 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60135671)
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キーワード | 超臨界流体クロマトグラフィー / 均一ポリマー / 単分散ポリマー / 分子量分布 / ポリメタクリル酸メチル / 立体規則性 / 分子量測定 / サイズ排除クロマトグラフィー |
研究概要 |
1 合成高分子の重合同族体を超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)で分離する操作をくりかえすことによって均一ポリマーが単離できるが、その自動化にあたっては溶出時間の再現性を高める(1%以下)必要があることが前年度までの研究で明らかになった。本研究で製作した自動分取SFCシステムでは当初、溶出時間に5%以上のばらつきがみられたが、移動相の流路の改良、とくに、超臨界二酸化炭素と極性溶媒(アルコール等)との混合部の高効率化によって1%程度の再現性を達成することができた。 2 自動分取SFCシステムを用いてポリメタクリル酸メチル(PMMA)の重合度分別を行い、15量体から50量体までをそれぞれ最大100mg程度単離した。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)における分子量較正曲線の作成に均一PMMAを用いると、PMMAの分子量測定を精度良く行えることを明らかにした。均一PMMAは飛行時間型質量分析の分子量標準としても有用で、その検出感度の分子量依存性の評価に役立つことがわかった。 3 ポリマー鎖の末端に水酸基を有するイソタクチックあるいはシンジオタクチックPMMAを立体特異性リビング重合法により合成し、これらをSFCで分別して20〜50量体をそれぞれ単離した。このうち、イソタクチックな48量体とシンジオタクチックな48量体を塩化セバシルでカップリングさせ、生成物をSFCで分離して均一ステレオブロックPMMAを得た。このステレオブロックPMMAのSEC分析をアセトンを溶離液に用いて行うと、分子量が均一であるにもかかわらず、3本の溶出ピークが検出された。これらのピークはそれぞれ、分子内および分子間における立体相補性の会合体(ステレオコンプレックス)、ならびに、非会合部によるものであることがわかった。同様の合成経路により、均一な星形PMMAが得られ、その溶液物性について検討した。
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