研究概要 |
1.マクロモノマー法による高分子界面活性剤の開発 昨年度、親水性ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)(PMeOZO)の末端にビニルベンジル基を持つマクロモノマー(Me-n;nはPMeOZOの重合度)とラウリルメタクリラート(LMA)の共重合により、1.0wt%水溶液の表面張力(γ)が最低32.8dynes/cmのグラフト共重合体が得られた。 今年度、γ値に及ぼす共重合体合成の緒条件の影響を検討し、LMA/Me-nの仕込み比が1.0の場合に、nは13(アセトニトリル中合成品)の場合にγ値は極小値を持つことを認めた。共重合体の^1H NMRにおいて、D_20中でミセル形成.C_6D_6中で逆ミセルの形成が認められた。ポリメタクリル酸メチル(PMMA)に共重合体をブレンドすると、フイルム表面を親水性に改質出来ることが接触角測定により確かめられた。 2.ブロック共重合体型高分子界面活性剤の開発 PMeOZO鎖を主鎖として持つポリエステル型高分子アゾ開始剤により、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリラート(FPMA)およびLMA等をそれぞれ重合させ、親水性PMeOZO鎖と疎水性ポリメタクリラート鎖から成る両親媒性ブロック共重合体を合成した。FPMA系共重合体の組成は、PMeOZO鎖のnが8.3の場合はFPMA/MeOZO=1.8〜5.4、nが38.6の場合にFPMA/MeOZO=0.7〜2.3であって、前者の比が1.8、後者の比が0.7程度の場合に水溶性であり、それらのγ値は、高分子開始剤に比してかなり低下した。
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