研究概要 |
親水性のポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)(PMeOZO)鎖と疎水性のビニルポリマー鎖を構成要素として有する、グラフトおよびブロック共重合体型の、新規非イオン係高分子界面活性剤の開発を検討した。 *グラフト共重合体は、ビニルベンジル基(m,p-混合体)を末端に持つPMeOZOマクロモノマー(VB-PMeOZO-n;n(MeOZOの重合度)=7〜30)と、疎水性のメタクリル酸エステルまたはスチレンの低分子モノマー(M)とのラジカル共重合により、M/VB-PMeOZO-n仕込み比が0.5〜30の範囲でアセトニトリルおよび水中で合成したが、特にMがメタクリル酸ラウリル(LMA)で仕込み比が0.5〜2.0の場合に水溶性となり、水溶液の表面張力(γ)が低い値となった.LMA/VB-PMeOZO-13=1.0(アセトニトリル中合成品)でγ値は最小(32.2dynes/cm)となり、これはTween20のγ値より低い。グラフト共重合体は^1HNMRにより両親媒的挙動が認められ、PMMAにブレンドするとフィルム表面の親水性が増大した。 *PMeOZO鎖の両末端に水酸基を持つポリオキサゾリングリコール(POG)(n=8.3,38.6)より得られる高分子アゾ開始剤(I)により、LMAおよびテトラフルオロプロピルメタクリラート(FPMA)の疎水性モノマー(M)をラジカル重合させ、親水性PMeOZO鎖と疎水性ポリマー鎖から成る、ブロック共重合体型高分子界面活性剤を合成した。M/I仕込み比が10〜40の範囲でMn=1780〜34390の共重合体が生成する。仕込み比が小さいほど親水性が増大して,FPMA/I=10の場合は水溶性となり、水溶液のγ値は開始剤に比べて著しく低下した。共重合体とPMMAとのブレンドのフィルムをガラス面上で作り、水に対する接触角を測定した結果、空気側は勿論ガラス側においても親水部の集積は認められなかった。
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