研究課題/領域番号 |
07555300
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山岡 仁史 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026004)
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研究分担者 |
松本 幸三 京都大学, 工学研究科, 助手 (90273474)
松岡 秀樹 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40165783)
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キーワード | エバネッセント / 光散乱 / 界面 / 相互作用 / 動的挙動 |
研究概要 |
試作に成功したエバネッセント波光散乱顕微鏡(EVLSM)装置により、高分子粒子(ラテックス粒子やリポソームなど)とガラス界面および修飾ガラス界面間の相互作用ポテンシャルを直接決定することができる。すでに報告したように、系のイオン強度や粒子およびカラス表面の電気的性質の変化にともない、ポテンシャルの静電項が系統的に変化していく様子が明瞭に観察された。EVLSMによるポテンシャルの評価は、その強度が指数関数的に減衰しているエバネッセント場において、粒子が上下方向に振動する様子を検出する事に基づいているが、同時に水平面内で拡散運動することによる影響が問題であった。そこで、今年度は、従来は測定前後に手動で行っていたx-y移動を、EVLSM装置の試料ステージのx-y方向駆動系にステッピングモータを追加し、測定中に粒子を二次元面内で追尾できるシステムを構築し、性能の飛躍的向上を図った。粒子の位置は、モニター画面で確認し、測定中、常に測定領域中心に位置するよう、コントローラで目視により位置調整を行った。本システムによれば、除震台上に設置されたEVLSM装置に振動を与えることもなく、データの信頼性が向上した。 改良したEVLSMによる測定として、重水と軽水の混合比率を変化させた溶媒系におけるポリスチレンラテックス粒子-ガラス表面間のポテンシャル測定を行い、外場である重力の影響を定量に評価することを試みた。重水の割合が多いほど粒子と溶媒との密度差が小さくなり、重力項に基づくポテンシャルの長距離側そく直線部分の傾きが減少していく様子が極めて明確に観測された。また、最も重力の影響が少ない条件下で、相互作用に基づく反発力と重力による見かけの引力が形成するポテンシャル極小の位置が長距離側に移動していることわかり、粒子界面間相互作用をより厳密に評価することが可能となった。
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