研究分担者 |
高品 純志 (株)三井造船昭島研究所, 制御エンジニアリング事業部, 事業部長(研究職)
平野 雅祥 (株)三井造船昭島研究所, 技術部, 総括研究部長(研究職
前川 和義 北海道大学, 水産学部, 助手 (80250504)
浜本 剛実 大阪大学, 工学部, 教授 (30107130)
古川 芳孝 九州大学, 工学部, 助教授 (90253492)
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研究概要 |
本研究においては,浅水域における船舶の操縦運動特性を実用的な見地から充分な精度で計算することのできる方法を開発することを目的としている。船舶の操縦運動特性を正確に推定するためには,船体に作用する流体力を精度良く推定することが不可欠であるため,本年度は,平成8年度に引き続き船体に作用する流体力の理論的な推定法について検討を行い,その推定精度の向上を図った。 平成8年度は,細長体理論に基づいて船体まわりの流れ場の定式化を行い,船体のフレームライン形状をできるだけ正確に表現し,さらに剥離線を両舷のビルジ部に仮定したモデルを導入した。続いて船体に作用する流体力の推定を行い,模型実験結果との比較、を行った結果,運動の小さな範囲においては定量的にも,定性的にも精度良く船体に作用する流体力を推定可能であることを示した。しかしながら,運動が大きな範囲においては,推定結果と実験結果に定量的な差が生じていたため,本年度は離散的な渦糸の強さに時間的な減衰を考慮して渦モデルの改良を行った。その結果,偏角βや無次元回頭角速度γ′の大きな範囲における流体力の推定精度が向上されることを示した。続いて,本計算法によって推定した流体力より線形微係数を求め,針路安定指数により針路不安定現象について検討を行った結果,比較的良い精度で針路安定判別を行うことが可能であることを示した。さらに、計算法を基礎に浅水域の問題への拡張について検討を行った。
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