研究課題/領域番号 |
07555316
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金原 勲 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50011101)
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研究分担者 |
大澤 勇 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00143389)
鈴木 敏夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20010895)
影山 和郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50214276)
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キーワード | リハビリテーション / インフラストラクチャ / 炭素繊維 / 補強効果 / アコースティックエミション / 破壊靭性 / エネルギー開放率 / 接着強度 |
研究概要 |
炭素繊維複合材料による損傷を受けた構造物の補強効果を定量的に明らかにし、補強システムとして確立するための実証的研究を行った。このため、補強されるべき構造は何らかの損傷を受けていることを前提とし、その損傷による構造の強度低下を炭素繊維複合材料による補強によりどの程度回復できているかを定量的に把握する手法を確立することを目的としている。炭素繊維シートによる構造物の補強・補修工法において貼り付け補強材の効果を検討する場合には、コンクリートと補強材との付着力を材料固有の値として評価することが重要な問題となる。 このため本年度は、被補強材に接着されたシートを引き剥がす際のエネルギー開放率を測定するピーリング試験法を開発した。この試験法では引き剥がすシートが膜状に延びるため荷重-変位線図が非線形挙動を示すので、通常のコンプライアンス法を用いることができないため、除荷負荷を繰り返し面積法によりエネルギー開放率を求めた。この方法により破壊力学的観点から、コンクリート表面における実際の積層状態に近い炭素繊維シートについて、コンクリート表面処理の差異およびプライマーの有無による接着強度の差異を明らかにすることができた。さらに、引き剥がされるシートの変形量の測定によりき裂進展の直前のエネルギー開放率を評価できることを見い出し、簡易なデータ整理法を提案し、面積法とも同様の結果を与えることを確認した。また、有限要素法解析により、この試験方法が被補強材の種類によらずほぼ等しいエネルギー開放率を与えることを示し、変形モードがモードIIが支配的であることも明らかにした。
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