研究課題/領域番号 |
07555322
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
前 晋爾 北海道大学, 工学部, 教授 (80022672)
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研究分担者 |
内田 努 北海道工業技術研究所, 産業技官
藤田 秀二 北海道大学, 工学部, 助手 (30250476)
郷原 一寿 北海道大学, 工学部, 助教授 (40153746)
本堂 武夫 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60109494)
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キーワード | メタンハイドレート / ラマン分光測定 / メタン分子占有率 / 分子動力学 / 分子内運動 |
研究概要 |
メタンハイドレート結晶の形成過程の研究は皆無といってよい。従って、本研究では計算機実験とラマン分光法を用いた光学的実験によってメタンハイドレートの形成過程の研究をスタートさせた。 メタンハイドレート結晶の作製は極めて困難ではあるが、メタン水溶液の濃度を変化させ、また溶液を強制的に撹拌させるなどの異なる方法でメタンハイドレート試料を作り、それぞれのラマン分光測定を行った。その結果、メタンハイドレート結晶中のメタンハイドレートの占有率が極めて小さいこと(予想の1/2〜1/3)、及び占有率が試料の作製法に強く依存することが明らかとなった。今後、この問題について解明しなければならないと考えている。 計算機実験ではメタン水溶液中の炭素原子・水素原子の運動及びメタンハイドレート中の炭素原子・水素原子の運動を分子動力学的に計算しその結果をまとめた。H-C-Hの変角振動モード及び非対称伸縮モードはハイドレート中でラマンシフトが小さく、伸縮モードが大きくなることが明らかとなった。分子動力学を用いた実験研究が分子内運動も明らかにすることができたのは画期的であり、今後はラマン分光の実験結果と対比しつつ、計算によっても占有率を求めていく計画である。 以上の研究結果は平成8年3月にカナダ・ビクトリア大学で開催される日本-カナダ科学技術ワークショップにて発表する。
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