有限要素法による3次元電磁場モデリングの高精度化、高速化を図るため、メッシュサイズと解の収束性との関係、境界条件と精度の関係、無限要素の効果について数値実験を通して研究した。その結果、自由境界条件と固定境界条件の場合、所要の精度を得るためには境界に近づくほどメッシュサイズを拡大する必要があり、そのために解の収束性は低下すること、一方無限要素を採用した場合はメッシュサイズを一定にしたままで良好な精度が得られることが明らかになつた。 次に有限要素法を利用した3次元インバージョン法の開発を行った。インバージョン法では感度行列を効率的に求めることが必要であるが、本研究では均質大地のグリーン関数を利用して近似的な感度行列を求めることとした。2次元構造に対する数値実験の結果によれば、探査対象物の比抵抗とバックグランド比抵抗の比が約20倍以内であれば、ほぼ良好な再構成結果が得られる。今後は種々に対して実験を行い、上記の方法の有効性を検討していきたい。なお本研究で開発したソフトウェアは平成7年度に設備したワークステーション上に移植した。
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