研究課題/領域番号 |
07555334
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柳谷 後 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00259128)
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研究分担者 |
木山 保 三井建設(株), 技術研究所, 主任研究員
塚田 和彦 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10179971)
吉野 隆 日本大学, 短期大学部, 助手 (60269496)
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キーワード | アコースティック・エミッシン / AE / ARモデル / 雑音 |
研究概要 |
本年度も、さまざまな発生源をもつ雑音にひどく汚染された現場環境を模擬できるような室内の実験環境を作りだし、その環境のなかで岩石を主破壊に導き、主破壊に先立つマイクロクラックの発生に伴って放出されるアコースティック・エミッション(以下AEと呼ぶ)を広帯域(DC〜5MHz;すべてのノイズも記録するため、通常は使われるアナログ・フィルターを除去している)で広ダイナミック・レンジ(0.05mV〜50V)で長時間(0.4s)サンプリングして解析データとした。同時に、通常は多用される接地も故意に用いず、考えられるかぎりノイジ-な信号をAE信号に重畳させた。このようにして得られた信号には、通常のAEの信号の20dBから40dBも大きい、サーボ・バルブからの機会振動が混入して、AE信号のSN比をさげることがわかった。室内実験で観測されるAEの卓越周波数が100kHzのオーダーであるの対して機械振動の卓越周波数は1kHz程度であった。したがって、このような信号とノイズの周波数が大きくことなる条件では、依然としてアナログ・フィルターの使用が効率的であることがわかった。先年度の研究では、静かな環境下で、AEと雑音だけの信号をそれぞれARモデルで記述し、現実の雑音が混入したAE信号が両者の単純な加算モデルで表現できることを示したが、今年度はより複雑な環境を作り出し、その波形を解析した結果、たとえば、雑音とAEの信号レベルが拮抗し、周波数レベルが類似する場合には、このような方法ではAEの検出はできず、なんらかべつの方法、弾性波の波動伝播の特徴を抽出できるようなフィルターが不可欠であることがあきらかになり,そのようなフィルター構築法について研究をすすめた。
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