研究課題/領域番号 |
07555336
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
斉藤 博 岡山理科大学, 理学部, 教授 (20013526)
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研究分担者 |
米田 稔 岡山理科大学, 理学部, 講師 (40240379)
大石 正和 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40068911)
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キーワード | 分子線エピタキシ / 高飽和蒸気圧元素 / II-VI族薄膜 / 青色発光素子 / クラスターイオンビーム |
研究概要 |
1)超高真空槽の組立、運転:平成7年度に設計、製作した高い飽和蒸気圧をもつII,VI族元素用分子線エピタキシ装置を組立て運転を行った。成長用真空槽内部に残留している元素、特に硫黄を排出するため、成長用真空槽を含めた装置全体を均一温度に上昇させてのベ-キングが非常に重要であることが判明した。固体硫黄源としては先行試作したバルブ付エフュージョンセルを用い、またSe源としては従来から使用してきたクラッキング用セルを使用した結果、高純度のZnSあるいはZnSeの成長が可能になった。またアクセプターとして主にアルカリ金属をド-ピングし、成長中のRHEED観察から薄膜成長機構の研究を行った。 2)この数年間ほどで、III-V族窒化物の出現等があいまって、ワイドギャップII-VI族を巡る環境が大きく変化した。膜質および基板界面の改善と、新たな窒素アクセプタ・ド-ピング法の模索が急務となっている。新たな窒素ド-ピング法として、1原子当たりのエネルギーがイオンビームに比べて格段に低く(1〜10eV)薄膜破壊の恐れが無い上に、原子集団としての機能が期待できる窒素ガスクラスターイオン源が有望と考えた。本装置はII-VI薄膜へのド-ピングのみではなく、III-V族窒化物成長への応用も期待できる。現在装置の製作を終え、試験運転を行っている。その結果、ノズルの位置調整機構とイオン化部に一部変更が必要とわかり、現在改良品を製作中である。なお本クラスターイオン源は上記超高真空槽に装着、使用するため、通常の装置に比べてかなり小型であるところが特徴となっている。
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