研究課題/領域番号 |
07555342
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 俊一 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (30162431)
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研究分担者 |
柴田 浩幸 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (50250824)
鈴木 幹雄 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (10261471)
江見 俊彦 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (30250822)
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キーワード | レーザー / ナノ構造 / 光マニピュレーション |
研究概要 |
レーザー光ビームによって微小な粒子を自由に捕捉、転送することは、何らかの方法で検出した不純物粒子を取り除くのに有効な手段のひとつであると考えられる。また、微小構造物の構築に対しても、新しい取組のひとつとして注目される。本研究者らは、これまで実現されていなかった金や銀などの金属微粒子に対して、光トラッピングの研究を試みてきた。そして、これまでに世界で最初にマイクロメーター程度の大きさの金属微粒子の光トラッピングに成功している。 これらの背景の下、本研究の目的はナノ構造物の新しい構築手段としての光マニピュレーション法を開発することにある。本年度はより小さな微粒子(ナノメートルオーダー)に対して安定な光トラッピングを実現するための基礎的実験として、その安定性の測定を行っている。水中で捉えられた微粒子は常に周囲の水分子の熱運動に起因するブラウン運動によってランダムな力を受けており、その際粒子はトラップの中心からずれる。このずれを光学的に検出し、周波数分析することによってずれの平均値を求めることによって安定性を評価している。これらの測定はトラップ用のレーザー光強度、レーザー波長、強度分布やトラップされる粒子の形状、大きさ、材質などに対して行っている。その結果、数10ナノメートルの範囲での微小変動が観測され、上記のパラメータに対して複雑な応答をすることが見出されている。今後、より安定なトラップのための新たなトラップ設計を行っていく予定である。
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