研究分担者 |
中村 正彰 日本大学, 理工学部, 助教授 (00017419)
友枝 謙二 大阪工業大学, 工学部, 教授 (60033916)
木田 重雄 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 教授 (70093234)
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
今井 仁司 徳島大学, 工学部・共通講座, 教授 (80203298)
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研究概要 |
研究代表者池田は,反応拡散方程式系によって表現される界面ダイナミクスの研究の一層の発展を目的とし,領域分割法と前処理付き共役勾配法に基づいた並列計算スキームの構築を企画した.複雑な過程を経て大腸菌のある種の変異株が形成するスポット状のパターンを最初のターゲットに選び,ほぼ予定通りの水準の並列アルゴリズム提供することができた. 研究分担者岡本はNavier-Stokes方程式の理論解析,水面波の分岐現象の数値シミュレーション,渦法によるEuler方程式の数値計算の高精度化などに成功した.木田は回転球殻の内外の球面上の温度差によって回転軸に平行な5対の渦柱状の熱対流パターンが現れることを示し,一様剪断流中に置かれた直線渦系のまわりにらせん状に巻き付く渦系の複雑な構造を求めた.また,西田は熱対流系における分岐問題を計算機の支援を受けて解析する接近方法を用いて,定常分岐,周期解の分岐,自由表面がある場合のロール解やホップ分岐の存在などに関して着々とその成果を挙げている. 今井は主として自由境界問題を扱い,任意精度の数値計算法の開発,時間発展項を陽には持たない方程式系の数値計算法の開発,解の爆発が起こりうる問題の数値的解析などを行い,中村は今井とともにスペクトル選点法によるアトラクターのフラクタル次元の高精度計算の実用性を示した.友枝は多孔体媒体中の流体現象を扱い,空間1次元の場合に解のサポートが分離するための十分条件を厳密に導き,多次元問題へも適用できることを確認した.河原田は多元最適化法の開発を行い,流れの自由境界の制御と熱伝導問題に適用した.四ツ谷は天体力学の松隈の方程式や微分幾何の共形スカラー方程式の解析を進め,高橋は可積分な非線形波動方程式に対して超離散化と呼ばれる手続きのを通して差分方程式をセルオートマトンに翻訳することに成功した
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