研究課題/領域番号 |
07555350
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応募区分 | 試験 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
城野 政弘 大阪大学, 工学部, 教授 (20029094)
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研究分担者 |
藤田 喜久雄 大阪大学, 工学部, 助教授 (10228992)
菅田 淳 大阪大学, 工学部, 助教授 (60162913)
近藤 良之 三菱重工業(株)高砂研究所, 主任研究員
堀川 武 龍谷大学, 理工学部, 教授 (30209291)
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キーワード | 疲労強度 / 疲労き裂進展 / 破損事例データベース / 予防診断システム / 機械要素 / 実働荷重 / 有効応力拡大係数 / 繰返しJ積分 |
研究概要 |
疲労破損事例データベース構築のためのソフトウェアの開発を行うとともに、文献ならびに資料集などから破損事例収集を行った。平成8年度に収集したデータは約150件であり、これを製品名、部品名、材料、使用環境で分類するとともに、それぞれの事例について一次損傷、二次損傷、損傷状況、原因、対策を解析し、データベースとして入力し、平成7年度に入力済みのデータとの併合、再整理を行った。また、歯車など実物機械要素の疲労試験を通じて、実機と実験室試験片の疲労強度との関連を検討した。 一方、基本的な研究として、実働荷重下の疲労寿命評価試験ならびに疲労き裂進展試験を行い、従来からの研究結果の蓄積と併せ、疲労損傷を支配し、かつ実機での評価を可能とする巨視的な力学パラメータについての検討を行った。高サイクル疲労で問題となる微小疲労き裂の進展に対しては、疲労き裂が0.2mm以下の極微小な範囲では、長いき裂とは異なり、荷重変動によりき裂進展の加速が生じる危険性のあることを見いだした。コンピュータを用いて高精度化した除荷弾性コンプライアンス法を用いて計測した微小疲労き裂の開閉口挙動から、上記の原因は、極微小疲労き裂では塑性誘起き裂開口の発達が不十分であり、過大荷重によるき裂開口点の上昇によるき裂進展の遅延効果よりは損傷効果が勝るためであることを明らかにした。さらに、疲労損傷の定量化手法の開発を目的として、疲労過程中におけるサーモグラフィによる温度場計測ならびに表面粗さ等の表面損傷のレーザースペックル法による測定を行い、多くの知見を得た。次年度はこの定量化手法による実験室レベルでの損傷評価を実機レベルでの損傷事例とを融合していく予定である。
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