研究課題/領域番号 |
07555352
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高橋 清 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (10010795)
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研究分担者 |
新村 哲也 電気化学工業(株)千葉工場研究部, 副主任研究員
岡本 康 住友化学工業(株)千葉研究所, 主席研究員
大平 善造 スズキ(株)技術本部開発第2部, 主任研究員
東藤 貢 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (80274538)
新川 和夫 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (00151150)
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キーワード | エンジニアリングプラスチックス / ポリカーボネート / 衝撃変位 / 衝撃強度 / シャルピーテスト / 速度依存性 |
研究概要 |
1.計装化衝撃試験における振動性信号の解析 現在内外で広く用いられている計装化衝撃試験による定量測定で最も問題となっていることはゲージからの出力信号に衝撃に伴う動的効果(慣性及び波動)が重じょうし、これがノイズ成分として衝撃強度の評価に大きく影響してしまう点である。この振動信号の解析のためにこの研究においてはポリカーボネートのシャルピー形試験を取り上げた。その結果、シャルピー試片の衝撃面に0.5mm厚のラバーシートを貼付した場合に衝撃棒の出力信号には動的効果はわずかに残るものの大部のノイズ成分が消え、き裂先端近傍に貼付したひずみゲージの出力信号に最も近付くことを見出した。また、各種の条件下で動的効果の解析も行い、振動性信号の持つ性質を明らかにすることが出来た。 2.ポリカーボネートの動的破壊靱性の衝撃速度依存性 試作された衝撃変位計の出力を参照信号として利用して、前記衝撃棒出力信号から評価される値と比較しながら、ポリカーボネートの動的破壊靱性の衝撃速度依存性を調べた。ここで衝撃変位計から得られる変位量は破壊力学式により応力拡大係数すなわち破壊靱性に変換された。測定の結果によると1から5.2m/sの範囲の衝撃速度に対する依存性について両者は逆の傾向を示した。すなわち衝撃変位計による評価の結果は負の、衝撃棒による結果は正の、依存性をそれぞれ示した。 3.上記2.の結果のもつ物理な意味を明らかにするために、他の種々の高分子材料について2.と同様の試験を実施中である。厚さを変える実験も含まれており、その結果は応力状態依存性に関係する。また、高速度撮影装置を用い、光学的コーステック法により応力拡大係数を評価してこの問題を検討することも予定している。
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