研究概要 |
平成7年度は,超精密非球面加工機工具ヘッド部の設計,試作および送りの高精度化を行い,その基本性能のチェック,および加工精度,工具形状オンマシン計測機能を含めた超精密加工システムの設計を行った.また円弧包絡研削法でのNCデータを計算するめには,4元連立方程式を各点について解く必要がある.しかしそのデータ点数が膨大であるため,計算には大型計算機を使用し,そのデータをネットワークを介して直接加工機端末にリンクさせるシステムとした. 平成8年度は,極微粒ダイヤモンドホイールによる鏡面研削実験を行った.最初に,使用するダイヤモンドホイールのオンマシンツル-イングの精度向上のために,ツルアの誤差解析,ツル-イング方法による到達精度の検討を行った.それに基づきツルア剛性の向上,制御プログラムの改良を行った結果,機上にて±0.5μmの形状精度にツル-イングする事が可能となった.次に直径100mmのBK7を用いて鏡面研削実験を行った.円弧包絡研削法では研削点が移動するという特徴により,大きな非球面ミラーでも1回のツル-イングで全面の研削が可能で,良好な研削状態を保つことが実証できた. 次に,逐次2点法によるオンマシン3次元形状計測装置の改良,誤差の検討,計測実験を行った.その結果,逐次2点法によるマシン3次元形状計測が可能であること,センサのセッティングエラーを補正可能であること,測定精度は0.5μmであることが明らかになった.しかし研削加工機が設置されている環境,特に温度変化の影響が重大で,所期の目標0.1μmを達成できなかった.これについては加工機,その周辺機器,空調の温度管理をさらに厳密に行えば達成可能であると考えられる.最終的に,非球面形状の精度,表面粗さを非球面形状解析装置により測定した結果,修正研削なしの場合,形状精度は1.8μm/100mm,表面粗さは10nmRaであった.
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