研究分担者 |
藤原 彰彦 三菱重工業(株), 京都精機製作所 工作機械設計部, 主務
苅田 充二 神鋼電機(株), 開発本部, 次長
松原 厚 京都大学, 工学研究科, 助手 (80243054)
井原 之敏 京都大学, 工学研究科, 助手 (90213199)
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研究概要 |
(1)高速・高精度・高ゲインリニアモータ送り系の特性解析と設計製作 高速・高精度・高ゲインの送り系を開発するには,送り系のサーボ特性解析をおこなう必要がある.このためには送り系の構造モデルと制御モデルが必要である. リニアモータ送り系の構造部は,リニアモータ1次側であるテーブル部,2次側であるレール部,ローラガイド部,そしてレールを支持するベース部からなる.これらの構造部はワークステーション(715/100XC,(株)HP社製)上でFEM解析を行い,剛性設計を行った後,得られた構造モデルをパーソナルコンピュータ(FMV-BIBLO (株)FUJITSU社製)上で制御系解析ソフト(MATLAB/SIMLINK, (株)MATH WORK社)を用いてサーボ特性解析を行った.この結果,最高速度75m/min, 加速度2.0G, 位置ループゲイン200 1/s以上が可能であることが分かった.これらの設計結果を基に,テストスタンドを製作した. (2)高速・高精度・高ゲインリニアモータ送り系の性能評価 製作されたテストスタンドについて,インパクトハンマ(GKR291C50,(株)PCB社製)とリアルタイムFFTアナライザ(SIGLAB20-22,DSPテクノロジィ(株)社製)を用いて加振実験を行い,構造系の振動解析を行った.この結果,送り系に存在する1次固有振動数は目標であった150Hzを達成することができた.しかし,位置ループゲインについては160 1/sと設計目標の200 1/sを達成できなかった.制御系の解析の結果,この原因は制御ループ内に存在する時間遅れ要素のためであった.これについては,制御装置の高速化により改善できると考えられる.この他の評価実験の結果,静剛性は44.0kgf/μm, 平均速度20.7m/minの連続運転での温度上昇は10.3Kと測定され,工作機械送り系としての使用に耐える性能であることが分かった.
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