研究分担者 |
金山 公三 通産省工業技術院, 名古屋工業技術研究所・構造プロセス部, 主任研究官
丸谷 洋二 大阪産業大学, 工学部, 教授
楊 剛 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00252627)
塩見 誠規 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90263227)
森 謙一郎 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (80127167)
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研究概要 |
金属粉末を用いたレーザープロトタイピングの基礎研究を行った.25WCO_2レーザを使用した先年度の研究により,7種類の金属粉末のうち銅とアルミニウムについて良好な結果を得た.しかし,銅粉末については溶融に伴う体積収縮によると考えられるひけ巣状の空孔欠陥が生じた.この欠陥は成形品の密度を低くし,成形の精度も低下させる.そこでこの欠陥を改善する方法として,圧粉して粉末の初期密度を増加させることを提案し,その効果を実証した.また,4種類のレーザを使用,比較することにより,レーザープロトタイピングに適したレーザの種類についても検討を行った. 実験には,25WCO_2レーザ,パルスYAGレーザ,連続発振YAGレーザ,2kWCO_2レーザを用い,コンピュータで制御したNCフライス盤のXYZテーブルを使いビームのスキャンおよび集光を行った.そして,様々な密度に圧粉した金属粉末にレーザビームのスキャンを行い,固化した状態および寸法を工具顕微鏡を用いて観察,測定を行った. 実験の結果,低出力の25WCO_2レーザでは圧粉した銅粉末を十分に溶融することが出来ず,圧粉することで上昇した熱伝導により,投入した熱量の1%程度しか溶融に使用されていないことが判った.また投入する熱量が同じ場合,継続的に低出力のビームを照射するよりも(連続発振),短時間でもピーク値の高い出力を与えた方が(パルス発振),投入した熱量を効率よく使用でき,大きな溶融を得ることが出来る.その時,周囲の粉末に与える熱の影響も小さくて済むため,未固化粉末の再利用の点からも有効であるといえる.圧粉によるひけ欠陥改善においては,粉末の初期密度を0.38から0.45まで高めることにより,空孔比を90%程度改善することが出来た.
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