研究分担者 |
笹岡 茂史 (株)小野測器, センサ応用事業部, 営業技術ブロックリー
大町 竜哉 東北大学, 工学部, 助手 (80250679)
とう 鋼 東北大学, 工学部, 講師 (90237040)
柴田 勝久 東北大学, 工学部, 助手 (20196421)
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研究概要 |
伝動装置の異常は内部の機械要素の損傷発生に起因する場合が多い.装置内部にセンサを設置できない場合は,装置の外側で測定できる振動と発生音は装置の健全性評価の重要な情報である.しかし,歯車のかみあい振動が軸・軸受を伝播してハウジングを励振し固体音を発生させるから,その伝達系の状態が伝動装置の評価と診断のための情報に大きく影響する. この観点から,本研究では,振動に着目した伝動装置の診断システムの開発をめざして基本システムを構成し,診断の基礎となる損傷発生にともなう特徴的な信号の収集と解析を行うことを目的として実験と解析を試みた. まず,伝動装置の振動の特徴を周波数領域および時間領域で抽出するためのソフトウェアとニューラル認識システムを含む計測・解析装置を購入してその基本的な動作を確認した. 歯車対の振動解析プログラムを作製し,接触変形量の計算において歯車の表面損傷によって接触面積が減少するというモデル化を行い,損傷の発生と進展にともなう動荷重の変化を計算して周波数領域および時間領域の特徴をマップ化した. 上記のモデル化の妥当性を検討するために,動力循環式歯車試験機による表面損傷発生と振動の変化を計測する実験を計画した.損傷を発生させるに十分な荷重を加えるための試験機の改造を済ませ,浸炭焼入後研削した試験歯車も設計・試作したが,損傷発生を実現するまでには至っていない.この実験を行い,当初目的とした振動波形の解析と異常診断システムの開発・評価を継続したいと考えている.
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