研究概要 |
本研究の目的は,木質材料にフェノール樹脂を注入し無酸素雰囲気中で焼成して得られる新しい多孔質炭素材料「ウッドセラミックス」のトライボロジー特性を体系的に解明することにある.平成7年度の主な研究結果をまとめると,以下の様になる. (1)中質繊維板にフェノール樹脂を注入し,800℃で炭化させたウッドセラミックスの摩擦係数は,大気中無潤滑,基油含浸,水中の各条件下において,0.1〜0.15と極めて低い良好な値を示す. (2)中質繊維板にフェノール樹脂を注入し,800℃で炭化させたウッドセラミックスの比摩耗量は,大気中無潤滑,基油含浸,水中の各条件下において,10^<-8>mm^2/N以下の極めて低い値を示す. (3)ウッドセラミックスのヤング率,降伏応力,ビッカース硬さは,炭化温度の増加に伴い増加し,800℃〜1500℃で最大となり,さらに炭化温度を増加させると緩やかに減少する. (4)ウッドセラミックスの比摩耗量は,炭化温度の増加とともに急激に減少する. (5)ウッドセラミックスの摩擦係数は,炭化温度の増加とともに急激に減少し,800℃以上では一定となる.
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