研究課題/領域番号 |
07555372
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
設計工学・機械要素・トライボロジー
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
笹島 和幸 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (80170702)
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研究分担者 |
高橋 正明 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (00179524)
塚田 忠夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (00016437)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 円筒 / 形状誤差 / うねり / 粗さ / 三次元測定 / 静圧軸受 / 装置開発 / ころ軸受 |
研究概要 |
本研究は、円筒部品表面の微細な形状を高精度に三次元測定・評価するシステムの開発であり、実際に表面微細形状の評価が求められている軸受部品を対象に、直径φ2〜100mm、軸方向長さ100mmまでの測定を可能とする形状偏差からうねり・粗さまでを総合的に評価する円筒形状総合測定システムを目標としている。 いずれも空気静圧式の超精密回転軸受と超精密縦型直動テーブルで円筒座標形の測定装置を開発し、装置の駆動、基本動作の確認を行なった。その結果各軸の運動精度は当初予想した範囲に入っており、システムの目標精度を実現可能であることが確認された。一方、本システムでは各構成要素が高精度であるために、各要素間のアライメントを組立調整では十分に取り切れない。そこで、反転法によりその誤差を解析し、可能な範囲の調整を経て、その残りは誤差ベクトルとして測定値を補正できるシステムとした。 開発した測定システムを実際の軸受用ころ部品の各製作プロセス中の試料に対して適用し、得られた測定データの解析を行なった。まず、試料はチャッキング代とクラウニング部を除き、全体を測定した。その後、その一部の断面部について全周の測定を行ない、さらにその一部を拡大して測定し、それを繰り返すことにより、微細な粗さなどの凹凸形状まで測定した。その結果、円筒全体のマクロ形状とミクロな表面形状の様相が異なることなど、従来単一の測定装置では測定できなかった情報を幅広く得ることが出来ることを確認した。本手法は試料を測定しながら任意の位置・大きさの測定を繰り返すことが出来、局部データをマクロな全体形状と三次元的に関連づけて取得データを取り扱うことが出来ることから、測定時の意図に十分応える柔軟な測定システムであると言うことが出来る。 最後に、本研究で開発した装置はnmオーダの高精度な装置でなおかつ100mmオーダの測定範囲を確保していることから、温度変動による装置座標系のゆらぎと外部振動の影響が問題となる。大きな測定範囲を確保するためには本研究で採用した構造の構成は避けられず、従って、特別な温度管理と除振設備が今後実際の測定には必要であることが確認された。
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