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1996 年度 実績報告書

ハーフトロイダル無段変速機の電気自動車への適用試験と気泡含有流体の油膜挙動観察

研究課題

研究課題/領域番号 07555373
研究機関横浜国立大学

研究代表者

田中 裕久  横浜国立大学, 工学研究科, 教授 (90092262)

研究分担者 町田 尚  日本精工(株), 総合研究所, CVT室長
キーワード機械要素 / 無段変速機 / トラクションドライブ / 電気自動車 / 動力伝達装置 / 油膜観察
研究概要

本研究で開発したハーフトロイダル形無段変速機(CVT)を2.2kWの電気駆動車両に搭載し、その加速性能試験と消費電力の実測を行った。CVTは最大入力トルク40N・m、回転数3000rpm、変速範囲0.4〜2.5で設計されたもので、これをDC36V、150A最大入力可能な直巻電動機で駆動し、CVT出力は1:12.5の最終差動減速機を介して車軸に伝達されるものとした。平成8年度は、モータの動作点と車両運動の適合をはかるためCVTの変速制御系の電子回路の設計センサ類の実装に重点を置き、車両の運動性能の測定に全力を投入した。走行試験により、CVTを搭載することにより、これまでの固定減速では時速20km/hが限界であったものが、30km/hまで可能となるとともに、発進時の消費電流が固定減速では170Aであったものが120Aまで低減でき、ほぼ同一の加速性能が得られることがわかり、CVTの搭載の意義があることがわかった。また、トラクションドライブ用油は高温になると消泡性がわるくなり細かな気泡が無数に混在した状態になる。この気泡が含有した油がトラクション面に流入した場合、断熱圧縮による油温の局所的上昇が考えれるので、本研究で購入した高速度カメラにより、隙間管理された転がり滑り面を通る流体の可視化を行った。その結果、隙間より大きな気泡はトラクション面を避けるように殆ど流れ、隙間相当の粒径をもつ気泡は楕円状に変形しながら低い確率で最小隙間部を通過することが明瞭に観察できた。即ち細かな気泡の大部分も高圧さなる最小隙間部を避けるように流れることがわかり、実際のトラクションドライブ装置で、大きな温度上昇が無いことや、エロ-ジョンがないことの裏付けが得られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hirohisa Tanaka: "Principle of half-toroidal CVT and 4WD application" Int.Conf.on Continuously Variable Power Transmissions. 141-146 (1996)

  • [文献書誌] Hisashi Machida: "Fatigue life analysis of a traction drive CVT." 同上. 101-106 (1996)

  • [文献書誌] Takashi Imanishi H,Matida and H,Tanaka: "A geometric study of toroidal CVT" 同上. 107-111 (1996)

  • [文献書誌] 田中裕久: "トラクションドライブ式無段変速機の変速制御(ねじ制御式CVT)" 日本機械学会論文集. 61. 449-451 (1996)

  • [文献書誌] 佐藤恭一: "ハーフトロイダル形トラクションドライブ式無段変速機の研究(4輪駆動用CVT)" 日本機械学会論文集. 61. 452-455 (1996)

  • [文献書誌] Hisashi Matida: "Design Principle of High Power Traction Drive" SAE Technical Paper. 950675. 79-89 (1995)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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