研究概要 |
(1)パーティクルカウンターによる微粒子径計測の高度化の一環として,自作の粒径サンサの改良と,粒径センサの計測で得られる粒径分布と各粒子径のパルス波高確率から変換行列を用いて粒子サンプルの粒径分布を求める手法を開発した. (2)液中の摩耗粒子の形状を捕捉,解析するために,高倍率レンズ,CCDカメラ及びストロボスコープを用いた画像解析装置を試作し,液体中に混在する粒子の形状を捕捉,解析できることを確認した. (3)すべり軸受材料(LBC3)の潤滑摩耗試験と並行して,潤滑油中の摩耗粉をオンラインで画像解析した結果,潤滑摩耗試験で得られた摩擦係数,比摩耗量の変化によって,摩耗粒子の長短比,複雑度の値に違いが見られた。 (4)すべり軸受材料(WJ2)のすべり摩耗試験と同時に,パーティクルカウンターを用いて潤滑油中に排出された摩耗粒子の個数と大きさをリアルタイムで計測した.WJ2の摩耗形態を摩耗粒子,摺動面の観察から明らかにし,この関係に基づいて摩耗粒子の計測データを解析し,オンラインモニタリングにより,摩耗形態の把握と焼付きの前兆を検知できることがわかった. 以上の結果から,自作のパーティクルカウンター及び画像処理装置を用いたシステムによってリアルタイムで潤滑摺動面の劣化状態の診断が可能になることが明らかになった.
|